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中国語

中国についてしろう

世界で3番目に広い国土

  中国の国土は日本の約25倍、ロシア、カナダに次いで3番目に大きな国です。自然環境が厳しく、西部の高地や西北部の砂漠には、ほとんど人が住めない地域もあります。13億の人口はおおむね中原と呼ばれる黄河と長江の流域、及び沿海部に集中しています。

多様な民族国家

  中国は、56もの民族から成り立つ多民族国家です。9割が漢民族で、その他、朝鮮族やモンゴル族、タイ族やチベット族、ウイグル族など、独自の文字や文化を持つ民族が多く存在します。青い目の中国人(タジク族)や、朝鮮語を話す中国人(朝鮮族)がいたり、名字も「愛新覚羅」(満州族)のように、いわゆる漢民族的ではない中国人もいたりします。
  少数民族の多くは中国の国境近くに住んでいるのに対して、漢民族は中国のほぼ全土に住み、政治や経済の中心的役割を担っています。

中国人についてしろう

地方で異なる人情・気質

  中国人の気質を一口で説明するのは、実は不可能です。なぜなら56もの多民族国家である上、広大な国土には様々な気候風土があって、考え方や性格に強い影響を与えているからです。ここでは、中国人をざっくりとした北部と南部に分けて、その特徴を紹介しましょう。
  北部は寒冷地である上に、降水量が少なく、砂漠化している地域も多く、極めて厳しい自然環境です。そこにそこに暮らす中国人は我慢強く、情に厚いとされています。体が大きく、お酒に強いという特徴もあります。
  一方南部の中国人は、温暖な気候と豊富な降水量に恵まれ、日本と同じ米を食する文化であるためか、体つきや顔立ちが日本人と似ています(かつて北部は小麦、南部は米の文化と言われていました)。商売に長けていて、すばやく利益を計算し、酒より食べ物に重きを置くと言われています。

中国人は歴史・古典が大好き

  中国人は、自分たちの歴史や文化を非常に大切にしています。日常会話で使われる諺の中に歴史上の人物が登場したり(『三国志』で有名な曹操や諸葛孔明、伝説的美人の西施など)、スピーチの中で有名な漢詩を引用したりすることが頻繁にあります。中国人は、歴史やそれを伝える古典、文学の中に、現在の世をより良く生きていくためのヒントがあると考えているのです。
  ぜひ日本でも人気のある『三国志』や『水滸伝』などの歴史小説を読み、そこから中国の歴史や文化を勉強してみてはいかがでしょうか。

とにかく「面子」が重要

  中国人を理解する上で一番大事なポイントがメンツ、つまりプライドです。中国語では「面子」と言います。メンツを重おもんじる気持ちが原動力になって、よりランクの高い学校に進学し、知名度のある企業に就職をしたがります。家を建てる際にはロフトを付けて隣よりも高くし、車を買う時はよりも高級車を買い、プレゼントを選ぶときはより高級なギフトを選びます。
  また上司は部下がメンツを保てるように、みんなの前で叱りませんし、部下は上司がメンツを保てるように、みんなの前で上司の間違いを訂正したりしません。
  高価なブランド品や1箱何万円するタバコが飛ぶように売れたりするのも、すべてこのメンツが関係しているのです。

中国人の人付き合い

  中国人ははっきりと自己主張し、メンツを重んじるため、素直に謝れなくて、周囲とトラブルになることが多いようです。街中で喧嘩をよく見かけるのは、それが原因と言えるでしょう。一方で、自分と波長が合う人、信頼のおける人との結びつきはかなり強く、時には自分の家族以上の密接な関係を築くこともあります。
  それに対して日本人の人付き合いは、周囲との協調を重んじるため、誰とでも仲良く、トラブルも無いように見えます。しかし、プライベートに他人に入り込むことを嫌がります。これは中国人から見るとかなりドライに感じられます。喧嘩をしないかわりに、密接な関係も作らない。日本人と中国人は、人付き合いの仕方がだいぶ違うようです。

マクロ的な中国人、ミクロ的な日本人

  中国人は思いついたら即行動、そして行動しながら情勢を見て軌道修正していく人が多いようです。細かいことにはこだわらず、大局的に全体を見極めてどんどん前進するのが特徴です。
  緻密に計画を立て、段取りをしっかり決め、足元を固めてから取り掛かる日本人とはちょうど逆です。中国人はマクロ的視点、日本人はミクロ的視点があると言ってよいでしょう。
  また中国人は時間にルーズな面もありますが、これも大陸流の時間の流れ方であると考えてあげてください。その代わり、大きな心と包容力で全てを受け止めてしまう懐の深さを持っています。

中国人は個人戦、日本人は団体戦

  中国では個人の力が重視されます。仕事も、一人ひとりの裁量と人脈で遂行していくのが一般的で、日本のように協調してチームワークで仕事をするスタイルとは異なります。従って中国人は、相手の意見を聞くよりも、自分自身の意見を述べる方を優先します。     
  中国人も、決してチームや組織がないがしろにするわけではありません。しかし日本人に比べるとずっと個人主義的で、組織のメリットより個人の利益を先に考えます。これは欧米でも見られる傾向で、世界的に珍しいことではありませんが、組織を優先する日本人にとっては、違和感があるかもしれません。
  中国人は個人戦に強く、日本人は団体戦に強いというふうに認識しておくといいかもしれません。

あらゆる分野でコネが重要

  中国では何をする時でも、コネがあるかないかで、時間や費用のかかり方が違ってきます。コネがあると面倒な手続きを優先してもらえたり、通常できないことができたります。
  これは、古くからの悪しき習慣とも言えますが、何千年にもわたる政変の歴史の中で、庶民も権力者も生き残るためには信頼できる人間関係が必要不可欠だったのでしょう。
  ぜひ手に入れたい有力なコネですが、キーパーソンを見つけ、その人と良好な関係を構築するのは一朝一夕でできることではありません。長い時間と労力、資金や気遣いが必要です。しかしいったん信頼関係が構築できれば、簡単には壊れない強固なコネとなって、便宜を図ってもらえます。現在では多少改善しつつあるこのコネ社会ですが、まだまだ中国ではあらゆる分野で無視できないものです。

中国語についてしろう

「中国語」は漢語をベースに作られた標準語

  私たちがこれから勉強する中国語は、漢民族の間で用いられている「漢語」という言語です。しかし実は「漢語」には「北京語」、「広東語」、「上海語」など地方によって様々なバージョンがあり、それぞれ意志疎通が不可能なほど異なっています。
  そこで主に北京語をベースに、普通話っていう標準語を定められました。すべての中国国民は、普通話を学習することが義務付けられています。普通話を勉強しておけば、住む地域や民族に異なってもすべての中国人と意志疎通ができるというわけです。
  しかし地方ごとの方言が根強く、アナウンサーのようなきれいな発音で普通話を話す中国人は、むしろ少数派を思った方がいいかもしれません。

文字

  中国語は漢字で表記される言語ですが、日本語で使われる漢字と全く同じ形のものもあるし、異なる形をしたものもあることにお気付きだと思います。この異なる形の漢字は「簡体字」といい、中国共産党によって約50年前から何度かに分けて行われた「漢字改革」で誕生しました。画数を減らし、覚えやすくして、識字率を向上させることが目的でした。
  しかし、当時の共産党の勢力が及ばなかった香港や台湾では、今でも清の時代からの漢字が使用されています。これは「繁体字」といい、こちらにも現代日本人には見慣れない画数の多い漢字などが含まれています。
  少し前までは、大陸出身者と香港・台湾出身者の間で、文字の違いによるコミュニケーションギャップがありましたが、最近ではネット環境が良くなり、相互に相手の書いた文章を ウェブ上で読む機会が増え、読解の面ではほぼ意思疎通に問題はなくなりました。ただ、書くときにはやはり書き慣れた文字を書く場合がほとんどのようです。

発音

  中国語の発音は「四声」っていう音の高低を表す声調と、「母音」と「子音」の組み合わせから成っています。1つの漢字につき、この3つをマスターしていくことになります。
  まず「四声」は日本語には無い感覚なので、最初は戸惑うかもしれませんが、中国語ではこの「四声」がとても重要で、しっかり使い分ける必要があります。
  また母音の数も日本語とは比べるものにはならないほど豊富です。中国語の母音は複合母音を入れるとなんと36個もあります。ちなみに子音の数は、日本語も中国語もほぼ同じぐらいですが、中国語が難しいと感じる方のほとんどはこの発音が難しいと思うようです。
  初心者のうちに集中的に発音をマスターする機会が多く作れば、後は悩む必要がないので、是非早いうちに取り掛かってみましょう。

文法

  中国語の文法構造は英語と似ています。例えば英語の SVO構文は、そのまま中国語の語順「主語+動詞+目的語」に当てはまります。ところが、英語のように複雑な(?)文法のルールは一切ありません。代名詞の格変化や位置の変化、動詞の時制による変化もなければ、必ず主語がなければならないということもありません。「私は」も「私の」も「私に」も、中国語では全部同じ「我」です。そう考えると、少しハードルが下がった気がしませんか。
  しかし日本語の助詞に当たるものがなく、ただ単語がどんどん並んでいるように見えるので、長い文になってくると、どこまでが主語で、どこからが目的語なのか、見極めるのが難しくなることもあります。しかし、最初のうちは簡単な短い文が中心ですから、気軽に学習していきましょう。

語彙

  中国語を効率的に学ぶなら、まず発音が第一、次は基礎的な文法事項、その次が語彙の学習です。中国語は、その長い歴史を反映して、大変豊富な語彙を有しています。同じ意味の単語を言い換える別の単語が山のように存在します。発音と文法の基礎ができていれば、後は語彙を増やすことで、どんどんレベルアップしていくことが可能です。

  ちなみに、中国語検定準四級は500単語、四級は1,000単語、三級は2,000単語が必要と言われています。

  単語を覚える際には、意味だけでなく、発音(ピンイン、声調)、漢字の書き方(日本語漢字の微妙な違いにも注意しながら)をセットして覚えましょう。そうすることで、リスニング、スピーキング、リーディング、ライティングの力を、偏りなく高めることができるでしょう。

日本語とは似て非なる言語である

  中国語は漢字を使う言語なので、日本人にとっては非常に親しみやすく感じられます。また中国に旅行に行けば店の看板はほとんど読めるし、道路標識の意味もなんとなくわかります。文法も英語に比べれば簡単に感じられます。そこで多くの日本人は、「中国語は簡単だ」と決めつけてしまうようです。そうすると、理解がしやすい視覚情報に依存して、リスニングやスピーキングの練習をおろそかにしてしまいます。

  しかし実際、中国人と会話する際には字幕はついていないのです! 漢字の音を覚えていなければ、聞いても意味が理解できないのは当然です。日本語とは全く異なる言語であることをしっかり認識して学習しましょう。

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