歯が生え変わるのはなぜ

　人間にんげんの歯はは、生うまれて六か月くらいから生はえはじめ、二、三歳でそろいます。この歯を「乳歯にゅうし」といいます。乳歯にゅうしは小さな子どもの歯で、全部ぜんぶで二十本あります。
　ところが、皆さんのからだが大きくなるにつれ、あごも発達はったつしていくため、小さなな乳歯にゅうしでは合わなくなってきます。すると乳歯にゅうしはぬけ落ちて、その下で順番じゅんばんを待っていた新しい歯が生はくるのです。つまり、乳歯にゅうしがぬけるということは、成長せいちょうのあかしなのです。
　みなさんも歯がぬけてびっくりしたことがあるでしょう。でも、だいじょうぶ。じきに新しい歯が生はきます。
　新しく生はえたこの歯は「永久歯えいきゅうし」といいます。大人の歯ですね。大人のあごは大きいので、二十本では足りません。そこで、上下左右しょうげさゆうのおくにそれぞれ三本さんぼんずつ歯がふえて、全部ぜんぶで三十二本になります。
　乳歯にゅうしは、だいたい十二歳くらいで永久歯えいきゅうしに生え変わりますが、一番いちばんおくの「親知おやしらず」と呼ばれる歯は二十歳前後で生はきます。親知おやしらずは生はこない人もいます。それに、今の人はむかしの人にくらべてあごが小さいので、まっすぐ生えないことも多いようです。そうなると痛みを感じますし、みがきにくいのでむし歯ばになりやすく、歯医者はいしゃに行くと「いらない歯」としてぬくことをすすめられます。
　歯の表面ひょうめんは、人間にんげんの体の中で一番いちばん固くできていますが、むし歯ばの原因菌げんいんきんの出す酸さんには、負まけてしまいます。むし歯ばをいつまでもほうっておくと、歯の中に細菌さいきんがはいりこんで、歯の根ねまでとどき、しまいには脳のうにまで行ってしまうこともあります。
　そうならないためには、食事しょくじやおやつのあと、正しく歯をみがくこと。むし歯ばになったら早めに歯医者はいしゃに行くことがたいせつです。
　それから、もし永久歯えいきゅうしがぬけてしまったら、もう歯は生はきません。一生いっしょう使う歯ですから、だいじにしましょうかね。