育児思想 こどもの自己表現

育児
Question:
  他人に迷惑をかけた時、強く叱っています。
  子供が公園で順番を守らずに割り込みをしたり、友達のおもちゃを勝手に取ったりするので、見かけた時は、強く叱っています。他人に迷惑をかける子には、なってほしくないと思っています。

Answer:
  子供にちゃんとルールを教えたい、他人に迷惑をかける子になってほしくない、て言う親御さんの気持ちは素晴らしいと思います。
  その上で、年齢にもよりますが、例えば1、2歳の子供であれば、まだ友達とうまく遊ぶことができません。私は、1、2歳の子供の発達課題は、まず自分の気持ちをちゃんと表現できることだと思っています。そういう意味では、お子さんは、順調に発達課題をクリアしていっている、といえます。自分の気持ちを表現すると、自己中心的な行動になります。そうすると、必ず他人とぶつかります。その時に、一つずつ、「してはいけないよ」とルールを教えていくのです。
  私がいちばん心配なのは、他人に迷惑をかける子よりも、むしろ小さい時に、自分の気持ちを全く表現していない子です。
  例えば虐待を受けて青年期になるまでずっと「いい子」で来た人が、20歳を過ぎてから暴力的になったり、犯罪に走る、と言うことがあります。そういう人の小学生時代を聞いてみると、「あんまり目立たない子だった」「何を考えているのかわからない子だった」「でも、たまに切れるとものすごく怖かった」と言う人が少なくありません。
  ルールは守るし、トラブルも起こさない。けれどもそれは、自分の気持ちをちゃんと表現して、他人とぶつかった上でのことではなくて、自分の気持ちを全然表現していなかったから。だから1年に1回か2回、切れる時はものすごく怖い。
  それが、20歳を過ぎてから、逆に暴力とか犯罪と言う形になって現れてくるのです。他人に迷惑をかけていいとは言いませんが、子供時代には、そういう自己表現は大切な意味があるのです。子供の成長の中で、どうしても通らなければならないプロセスです。自分を出すことができなければ、対人関係を学ぶことはできません。


参考サイト:
https://kidsna.com/magazine/entertainment-report-210402-12008

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